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2015/03/24

- 価格設定について考える ー/森 浩康

◎ 小売業における価格設定とは ◎

小売業における価格設定は、時には物価にも変動を及ぼすほどの影響力があります。
例えば、一部のハンバーガーチェーンや牛丼チェーンが価格を下げれば、外食チェーンやファーストフード、コンビニエンスストア、食品SMに至るまで価格競争が波及します。

また、衣料品分野においても、カテゴリーキラーが価格体系の見直しをすれば、百貨店やGMSの衣料品でも価格体系が変更を余儀なくされます。

この現象はアメリカでも同様で「ウォルマート」や「トイザラス」などの動向が価格競争を引き起こし物価体系にも影響を及ぼします。

ところが過去には、メーカーが出荷価格を下げても、それが店頭小売価格に反映されないという小売業特有の不思議な現象もありました。

一例ですが「K社」が新たに発売する発泡酒の出荷価格を10円下げて販売すると発表し、他メーカーも「期間限定」で発泡酒の出荷価格を10円下げて追随してきました。
ところが、揃って10円安価なはずの発泡酒が、一部の小売店では、「K社」の発泡酒だけ高い価格で売られるという事態が発生したのです。

理由は簡単です。
店頭小売価格にはメーカーからの販売促進費が反映されており、その大部分が小売店向けのリベートとなっていたからです。

一説では「酒販メーカー各社」は年間、数千億円規模の販促費を使っていると言われます。
しかし、この発泡酒の新発売に際しては「K社」はリベートを一切つけないという発表をしたのです。

この発泡酒は全ての面において徹底して合理化を目指した商品だったからです。
しかし、このやり方だと小売店側はリベートに頼らず、純粋な販売力によってのみ利益を出す必要があったため、結果として、ある程度の値入率をかけて価格設定をする小売店が続出したのです。
しかし、他メーカーの発泡酒は「仕切り価格」以外に、後からリベートが支払われる形になっていたので、その分を見越して安く売ることが出来たのです。
それで、このような現象が起きたというわけです。

- 業界用語について ー  に続く。